桃園空港という台湾の玄関ついての記録
台北から約40km離れた桃園の台地に、畑と荒野に囲まれた国際空港が姿を現した。到着ロビーの屋根、掲げられた名前、貨物エリアの動きには、都市の空港とは異なる時間が刻まれている。
台北から約40km離れた桃園の台地に、畑と荒野に囲まれた国際空港が姿を現した。到着ロビーの屋根、掲げられた名前、貨物エリアの動きには、都市の空港とは異なる時間が刻まれている。
桃園空港を出てMRTに乗り、都市間鉄道を降りた先では、バスやスクーター、YouBikeが途切れず現れる。飛行機から街角まで、移動の主役が何度も入れ替わるのに、流れは大きく途切れない。
士林夜市で聞いたサイコロステーキの音が、高雄の六合夜市でも同じリズムで響いている。黒糖タピオカや巨大フライドチキンまで、看板の色と書体を含めて似た屋台が並ぶ。
台湾の食堂では、鍋やご飯釜、まな板が店内ではなく騎楼や軒先に並び、通りすがりの客の目の前で料理が仕上がっていく。食堂と道路の境目に立つと、厨房が建物の中だけの設備には見えなくなる。
台北の街が週の仕事を始める月曜の昼、普段なら湯気と人声で埋まる食堂には「星期一公休」の貼り紙が並ぶ。チェーン店は開いているのに、家族経営の店ほどシャッターを下ろしている。
夕暮れの台湾で、ベートーヴェンの旋律を追うように人々が黄色いごみ袋を手に通りへ出てくる。音楽が止まるまでの数分間、収集車のまわりだけに小さな列と会話が生まれている。
台北松山空港の窓の向こうには、日本、中国、韓国の航空会社の機体が、ほとんど同じ距離感で並んでいる。行き先はいずれも、郊外ではなく都市の中心に残された空港だ。