台湾・小籠包の食べ方についての記録
レンゲに小籠包を乗せ、皮を少し破り、先にスープをすする。台湾の店先や旅行者向けの案内で繰り返されるこの手順は、昔からの中華料理の作法とは少し違う形で定着している。
レンゲに小籠包を乗せ、皮を少し破り、先にスープをすする。台湾の店先や旅行者向けの案内で繰り返されるこの手順は、昔からの中華料理の作法とは少し違う形で定着している。
クアラルンプールでは2リンギットの小さな包みだったナシレマが、ロンドンの店では12〜15ポンドの皿に載っている。ココナッツの香り、赤いサンバル、揚げた鶏肉は、同じ料理のまま別の顔を見せている。
駅前の商業施設や空港の動線には、鼎泰豊の蒸籠、春水堂のカップ、微熱山丘の箱が、現地の店と同じ顔で並んでいる。台湾を強く名乗る看板ではないのに、そこには台湾の印象が残る。
ガラスケースの中には、揚げた鶏、黒く煮込まれた牛肉、赤いサンバルの料理、大ぶりのイカやエビが並んでいる。白飯に何を載せるかで、同じナシカンダーでも皿の重さと食べ進み方が変わる。
マレーシアの食堂では、赤いペーストが料理の脇ではなく、ご飯や肉の上に厚く置かれている。ナシレマの甘い米も、焼き魚も、麺のスープも、その赤い辛味を受け止める土台に見えてくる。
早朝の路上に、緑色の小さな正四面体が積まれている。葉を開くまで中身は見えないのに、ココナッツの甘い香りとサンバルの発酵した辛さが、包みの外まで漏れてくる。
マレーシアのママックでは、同じ小麦粉の生地が卵やイワシを包む朝食にも、砂糖と練乳をまとった円錐にもなる。鉄板の前では、ロティの形だけでなく、食事と菓子の境目まで動いている。
台湾の食卓で毎日のように食べられている魯肉飯が、ミシュランの一冊では「発祥:中国・山東省」と記されていた。数文字の記述に対し、台北では市長の抗議と、1000杯を振る舞う催しまで起きた。